野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

関わり

自分ひとりの脳みそではどうにもならん。自分のことも。 だから他者の存在がありがたい。 他の人の考えが聞けるだけではない。自分のなかにある考えそのものも、別の角度で見ることができる。そして、自分自身の弱点やクセに気づくことができる。 それは、コ…

文化を活かす

伝統には物語がある。何代にもわたって受け継がれる。そして、過去の人間の暮らしに思いをはせる。昔の人もこうやって生活したのだろうか、と。どうやって生活したのだろうか、と。その土地、その歴史に思いをはせるほど、完成された美。 ざっとネットを調べ…

思考ノート 「当たり前」の錯綜 「不寛容な社会」生成理由をざっぱに推論

今日考えたことのメモです。ただの思考の断片なので、読みたい人だけ読んでください。 時代により、人により、環境により、その場その場の「当たり前」は異なる気がする。 最近では、「世代間闘争」なんて言葉もある。ジェネレーションギャップという言葉に…

忙しさが当たり前になったのはいつか

今、見田宗介の『社会学入門』を読んでいる。 社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書) 作者: 見田宗介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2006/04/20 メディア: 新書 購入: 15人 クリック: 176回 この商品を含むブログ (134件) を見る なかなか面白くて、…

ROCKY CHACKの曲に合わせて、深夜のオフィス街を歩きたい

僕には小さな目標がある。それは、「深夜、誰もいなくなったオフィス街の姿を写真で撮影し、それを曲に合わせて動画にしてみたい」というものだ。 深夜のオフィス街ってなんだか切ない。だから、その切なさを切り取りたい。 僕は大学を卒業する間近に、たい…

思い出の漫画の話  『神戸在住』木村紺

今日は漫画に関する思い出話でもしようかと。 大学生のころ、僕は漫画を描こうとしていたことがある。そのために、いろいろな漫画を読んで勉強しようと思っていた。そんななかで、僕がよく選んでいたのは、世間であまり話題になっていない漫画だった。それを…

雑記 「手仕事」

最近、柳宗悦やバーナード・リーチなどの仕事に関心を持っている。それはもともと日本の文化に関心を持っていたからでもあるが、「手仕事」の立ち位置というか存在意義について考えてみたくなったからだった。 手仕事の日本 (岩波文庫) 作者: 柳宗悦 出版社/…

いわゆる「日本スゴイ系テレビ番組」について

ある記事で、「日本スゴイ系テレビ番組」について言及していた。 曰く、「日本スゴイ系テレビ番組」を観て、違和感を覚えると。 日本スゴイ系番組がたくさん! 「日本スゴイ系テレビ番組」とは、たとえば日本に行ってみたいと思っている外国人を呼んで、日本…

批判のその先へ

怒りや批判は厄介だけど 世の中を見渡すと、ついつい感情的になって批判的になることも多く、しかし感情がいったいどれほど効果があるものかと考えると、そこには一定の疑念が浮上するものです。実際感情的になっていては、建設的な議論を進めるのは難しいも…

【雑談】心の作法 仏教についての所感

仏教に関心があります。しかし、たびたび「こんなに高尚なものを庶民が実践できるものなのか」と反発心が出てくる場合もあります。たしかに仏教というのは、どこか世俗を超えた感じがあり、抑制的な印象を受けることもあります。 しかし、これを茶道や華道と…

積極的に光を拾う必要性

最近、『レジリエンス入門』という本を読んでいる。 レジリエンス入門: 折れない心のつくり方 (ちくまプリマー新書) 作者: 内田和俊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/09/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る この本の中で、人間の…

言葉が作るまぼろし

原田マハの『生きるぼくら』という本を読んでいたら、登場人物が「勝ち組」「負け組」という言葉を使っていた。そして、その価値観にがんじがらめになり苦しんでいた。 それを読んでいたら、そういえば最近あまり「勝ち組」「負け組」という言葉を見なくなっ…

あたかも

ものごとを続けるにあたって、気楽さは重要だと思う。よく「失敗をおそれるな!」と言うが、もうちょっとイントネーションを変えて「失敗をー、こわがっちゃだめだかんねー」くらいがいいと思う。「継続は力なり」はきざな言い方なのだと断言してみる。そう…

紙の本の美しさ

ヤフーニュースの特集記事を読むのが好きだ。 今後はニュースを読んで感じたことなどを書いていく機会が増えるかもしれない。 本が売れなくなったのは? 紙の本が売れなくなくなったと言われて久しい。 news.yahoo.co.jp 実際にニュースのなかでも、 紙媒体…

書籍は目

旅人になりたい、と思うことがある。 僕は欲張りなので、いろんな場所に行きたいし、いろんなことを知りたいと思ってしまう。だが、時間は有限だし、身体もひとつしかない、お金だってあんまりない。そうなると、どうしても行ける場所も経験できることも限ら…

文化や伝統を守ること

アーツ&クラフツ商会 #14「肥後象嵌」 youtubeで面白い動画を見つけた。というか、自分好みの動画だ。 日本の伝統工芸を紹介する番組だ。毎回ひとつの工芸品をテーマにして、職人の仕事に密着する。 この動画を見ていると、不思議と落ち着いた気分になる。 …

「好き」はどこに転がっているかわからない

昨日、常々やりたいと思っていた木彫をはじめた。 木彫とは、木彫りのことである。仏像やレリーフを彫ったりするあれだ。 なぜ今までやらなかったのかと言うと単純に、 「道具を買って、材料を買ってやってみて、それで面白くなかったらどうしよう?」 とか…

やりたいこと

昨日、結局自分はなにがしたいのか、と考えをまとめてみた。 そうしたら、キーワードは「文化」なのだということがわかった。 なぜか民俗学や文化人類学に興味を持ち、漠然と触れていたけど、やはり原因はあったのだろう。どちらも「文化」に着目する学問で…

本年はお世話になりました

2016年も今日もあと少し。 本年もありがとうございました。来年もぼちぼちと何かを書いて参りたいと思います。よろしくお願いします。 年の暮れ、というのは正月へのスキップの気分である。というのも、なにげなしに散歩していると正月気分がそこかしこに感…

戦前と戦後

常々、生きづらい世の中だよなあ、と思う。こんな世の中を作った張本人は、まぎれもなく日本人だと思うが、どうしてこうなったのだろうか。 以前にも同じようなことを書いたけど、やはり戦争でかなり変わった部分はあるかな、と。というか、戦争がきっかけに…

心は器のようなものかもしれない、とふと思った。 僕は、料理をすることが好きで、器を見るのもすきだ。器には様々な形と種類があり、深いものや浅いものがあるが、それぞれに役割もある。この皿にはあんな料理を盛り付けてみたい。この鉢にはこんなつまみを…

暮らし

先日『この世界の片隅に』という映画を見て、それでいよいよ「暮らし」というものは大事なのだな、と考えるようになった。しかしどうして、この「暮らし」というやつは、ひっそりとして自己主張しないのだろう。「大事なんだぞ!」と声を大にしてもよいもの…

映画『この世界の片隅に』を観て

何度目の後悔だったろうか。 ティッシュはトイレにあるにしても、今後は絶対に忘れてはいけない。 おかげで服の端が、ぬれてしまってかぴかぴになってしまった。 konosekai.jp 観てしまった。観るつもりだったのだが、勢いで今日観てしまった。 月並みの感想…

記憶と自信

記憶とは、事実の羅列ではないと思う。自分のフィルターが拾った印象というピースの寄せ集めなのだろう、と。 僕はずっと自分に自信がなかった。積極的とすらいえるほど、自分を否定していた時期もある。そういった状態で培った「自分フィルター」のようなも…

かってに料理をしてみたい

僕は檀一雄の本を読むのが好きだ。 なぜ好きかって、彼の本に登場する料理はどれも郷土の食材を活かしたものばかりなのだけれど、文章だけではどんな料理だかわからんのだ。そこが面白い。どんな料理なのだろうなあ、と想像するのが面白いのである。 池波正…

野暮天、野毛をあるく 「餃子の翠葉 桜木町店」

僕は野暮な男だ。風雅とはほど遠い。よってブログ名を「野暮天堂」とした。 さて、今日はちょっくら横浜市の桜木町に行ってきた。というのも、来週からそこにあるコワーキングスペースという、まあ誰でも使える自習室のようなところで、仕事をすることにした…

駄目じゃなくっちゃ

欠点のない人間などいない。 僕は、欠点がある存在だからこそ、人間は社会というものを構築していると思っている。助け合いは綺麗事でもなんでもなく、必要なことだ。助け合いがあるから、経済だって成り立っているのではないか。 そして、その中で失敗した…

雪は綺麗で厄介で

11月だというのに、雪が降っていた。白銀の世界……などという表現を用いれば、一気に文章がくさくなることうけあいだが、それでも真っ白な眼前の光景は壮観でもある。そこで、思い出したことがある。日常には、地味に大変な状況がおとずれることがあるという…

自然と接する作用――キャサリン・サンソム著『東京に暮す』を読んで

ときどき、自分が考えているテーマについて連鎖的に新しい情報が外から入ってくることがある。先日、「自然と美の関連」についてこのブログで書いた。今日、古本屋でキャサリン・サンソムの『東京に暮す』を何気なく手に取り、パラパラと読んでいたら、まさ…

記憶ってやつはおもしろい

記憶というものは不思議なものだ。最近いつも思い出す光景があるが、それがいつのことだったか、どの場所のことだったかまでははっきり思い出せず、やきもきしていた。おかしな話で、ごま塩をかけたごはんと、ピンク色の漬け物があったことだけをただ覚えて…