野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

帰り道

 

 

春の芽が出た。

暖かくなる予感。

 

この青くて小さな花が昔から好きだった。

さりげなく、綺麗だ。

 

おだやかに、ひたむきに。

そんな感覚を覚える。

 

 

鉄塔がオレンジ色に煌めいた。

 

夕日が迎える帰り道。

ゆるやかな時間がはじまろうとしている。

そんな想像を喚起させる景色。

 

誰かにとっては悲しい夜を迎える日かもしれないけれど、

平和な時間が訪れるように、と願おう。

 

 

今日も少しだけ明日におびえて、

少しだけ明日に期待しながら、

呼吸する。