野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

数学、おもしろいんじゃない?

昨日、たまたまラジオを聞いていたら、森田真生さんという数学者が出演していた。この人の話がなかなか面白くて、数学ってけっこう楽しい学問なのかもしれないなあ、と思った次第。森田さんのものすごい早口に圧倒されながらも、数学の本来の姿を垣間見た気がした。

 

数学する身体

 

高校までに教わる数学というのは、なんでもアルゴリズムというやつで、ルールを覚えてそのルール通りに答えを導き出す学習らしい。しかし、数学には本来、「ルールを作る」という側面もあるらしく、結構クリエイティブな部分もあるのだそうだ。そういった部分こそ学びたかったが、残念ながら大学まで行かないと学べないようだ。

 

高校までに学ぶものなど、おそらく学問のほんの一部のはずであるが、それをして「学問とはつまらない」といった印象を与えることが勿体ない。ということは、随分前に書いた。

 

芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋と並んで、学問の秋とも言うように、本来学問は楽しいものなのである。そう断言してしまってもいい。

 

学問が義務になった途端に、つまらなくなる気がする。実際、僕が学問のことを面白いと感じるようになったのは、学生でなくなって数年経ったあとだ。「ああ、こんなに面白いものだったのか」と思って、学生時代にちゃんと学ばなかったこと、大学の図書館を利用しなかったことなどを心底後悔したけど、今思い返してみれば、あの時期に学問は義務であった。ゆえに僕などはどうあがいても、面白味を発見することはしなかっただろう。

 

人間は「Have to」が嫌いなのかもしれない。義務だ、と感じた瞬間にそれは「嫌なこと」に変わってしまうのかもしれない。だとすれば、どういう教育方法をとれば、学問が面白く感じさせることができるのだろうか。なかなか難しいなあ。

 

まあ、すべての人間が学問に興味を抱かなくてもいいとは思うけれど、でもせっかくこんなに面白いものがあるのなら、大勢の人に知って欲しいな、とは思う。

 

なぜ秋の空はこんな色合いなのか――そんなことを考えながら、教育のことに思いを馳せる今日この頃なのでした。