野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

リアリティ

物語にリアリティがない、ということでその物語を批判する人を見かける。そのたびに、ぴきっと血管が浮き上がる。この人は物語に何を求めているんだ?と。寿司屋に来て、パエリアがないので怒っている客のようだ。どっちも魚介の食材と米を使うけど、提供するものが全く違うだろう。

 

物語にリアリティは確かに必要だ。それは、読者がある程度物語の世界に入り込むための「スパイス」のようなものだ。だが、物語はリアリティだけで構成されるものではない。もしもリアリティ100%が見たいのなら、ただ自分の現実を生きさえすればいいのだ。ドキュメンタリーだって多少の編集が入り、物語の要素が加わるのだから。そもそも、自分の現実にだって、自分で切り取った「物語」が多少なりとも加わるものなのだ。著者の表現したいものが、リアリティを抑え込むからといって、それがなんだというのだ。これは物語なんだぞ?

 

とはいえ、感想は自由か。

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