野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

プテラノドンと振り子

この世の中には様々な価値観というプテラノドンが乱舞している。そのおしりから尻尾が出ていて、「これを掴め」とばかりに目の前を飛び回る。でも、それを掴んだところでどこに運ばれるのかはわからない。すこしでも、地に足着けたときに有利なようにと、計算が働く。どうやら、うまくいけば、誰からもそしられずに済むらしい。そういう噂を聞いた。

 

生き方なんて、その人間の世界のなかの掟だ。誰に示すものでもないだろう。でも、僕らは同時に理解し合いたい存在だ。だからこそ、「こいつは理解できる」って間柄を求めている。鳥だってずっと飛んでいるわけではない。止まり木が必要だ。だから、同じ掟のなかにいたいこともある。

 

でも、ずっと同じ木に留まっていると退屈になって、ほかの場所に行きたくなる。こうやって、僕らはさまよったり、とどまったり、そのいずれかを繰り返す。それが自然なのだと思う。エゴが働き、それに反発するように、無垢な感情が湧き出る気もして。

 

振り子のようにもう一方からもう一方へ。

僕らは迷いながら、自分の道を歩む。