野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

馬鹿な人間ほどよく吠える

弱い犬ほどよく吠える、というけど、それになぞらえて、馬鹿な人間ほどよく吠える、と言ってみる。世の中は、現在絶賛ツッコミ合戦状態だ。ヤフーニュースのコメント欄などすごい。専門的用語を羅列したもっともらしい批判は、文化人顔負けだ。なかには、妥当なものもある。だが、どうしても偏った意見が多いように思う。

 

たぶん、人間ってのは、その対象の事柄のことをよく知らないから、いろいろと言えるんだと思う。適当に。その事柄にまつわり、あれやこれや、複数の事情を知ると、あんまり声高に批判できないものだ。

 

僕はホリエモンとか古市という社会学者を忌み嫌っていたけど、最近彼らのTwitterとか活動とかをちょっと覗いてみて、そんで「彼らも結構色々とやっているんだなあ」と感じてからは、たいして批判的な気分にならなくなった。まあ、別に印象が良くなったわけではないが、彼らは彼らの日常を生きているんだな、と感じて、もうどうでもよくなった。

 

誰かが炎上するときってのは、その人の発言の一部分、そしてそれに関連する過去の発言などがフォーカスされ、意図的に切り貼りされて伝えられる。「この人はこんなにひどい人なんです。なぜなら、かくかくしかじかの事があったからです」などと。それに、ばあーっと人が集まって、あることないこと好き勝手にバンバン言う。で誰かが燃料投入して、二次火災が広がったり。

 

僕らは自分に都合の良いものばかり見る。聞く。言う。書く。

 

世の中そんなにひどいことばかりじゃない。だけど、そんな気がしてくるのは、そうなるような情報ばかり目にしているからだ。で、勝手にイライラして、厭世的な気分になったりして。そんなもん犬も食わんわ。

そんなことするより風呂入ってアイスまんじゅう食って、「やっぱアイスまんじゅううめえ」って呆けてた方が百倍エコロジカルかもしれん。少なくとも匿名で誰かのことを傷つけているよりは、害がない。

 

よく知らないから、誰かを簡単に批判できる。そしてどこぞのコメント欄にそれを書く。三日後には賞味期限が切れ、誰にも読まれなくなる。

 

僕らはいつも余計なことばかり。まあ、それは人間らしい営みか。