野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

苦しみを生み出すもの

仏教の言葉に「一切皆苦」というものがあります。この言葉が意味するところは、すべてのものは苦しみである、ということ。たしかに、生きるというのは大変な側面があることは明確です。ただ、その苦しみを作り出しているのは社会なのか、自分なのかといったことを考えてみました。

 

社会は人間の集合体でありますので、それなりに不備なところがあるのも確かです。そして自分自身にも至らないところはあるので、苦しみが生まれるのは必然かもしれません。しかし人間は成長すると、それだけ苦しみから解放されると思います。それが適応能力というものだと思いますが、まあ、そんなに簡単に身につくものでもない。だが、相応の努力や経験によって、身につけることは可能だと考えます。

 

世の中は地獄だ。そういう認識を持つのは自由です。価値観など人それぞれですから。それに、社会の闇の部分ばかりを見せられる職業ってあると思いますからね。医者とかケアマネジャーとか……。そう言った人たちの人生は、それ以外の職業を選んだ人よりもタフになりがちなのではないでしょうか。

しかし、それとは別に、不幸探しが趣味の人がいることも確かです。これは結構な割合でいるのではないか。毎日「あれがいやだった。これがいやだった」と、不幸を探すことに時間と脳みそを使っている。そうなると、人生全般のストーリーも暗くなりますので、自然とその人は不幸になる。認識の問題です。僕は、これは一種のクセだと思っているので、意識すれば変えられると思いますし、ぜひ変えて頂きたい。思考能力が落ちますし、くたびれやすくなるので、生産性が低くなり、もって社会にとってもエコではないです。

そういう人たちが「社会は地獄だ」と、何も知らない子供などに喧伝するのは、いかがなものかな、と思います。それってあなたの人生観、社会観であって、全人類共通の事実じゃないですよね?と言いたくなる。

タフな人生を送りながらも、心の中は明るく、案外ケロッとしている人もいますから。

 

世の中には、闇もあるけれど、光もあります。

光だけ集めることは難しいですが、心の中を光で満たし、保っておくことは、決して不可能ではないと感じます。最近問題を起こしてしまいましたが、五体不満足だった彼も、心の持ち方次第で、困難を楽しみに変えていたのではないでしょうか。

 

悪いニュース集めは、もううんざりです。そういう心の使い方こそ、断捨離したいものです。

 

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