野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

駄目じゃなくっちゃ

欠点のない人間などいない。

僕は、欠点がある存在だからこそ、人間は社会というものを構築していると思っている。助け合いは綺麗事でもなんでもなく、必要なことだ。助け合いがあるから、経済だって成り立っているのではないか。

そして、その中で失敗したり教え会ったり、そういう行為と情動が、なんだか好きで仕方が無い。欠点がないのなら、物語も生まれないと思うし。

 

完全な社会なんてものがあるかどうかは分からないけど、まだまだできあがるまでには時間がかかるだろうな。それに、その社会の中でも相変わらず欠点を持った人間が悲喜こもごもを生きているんだろうなって思う。

欠点がない、ということはすべてを知っているということだ。全知全能。きっと、それってすごく退屈なことなのではないかなって思う。知らないことがあって、できないことがあるから、楽しいのではないかなって。

喧嘩もあるし、悲しいことも起こる世の中だけど、駄目なところがないと、つまらないなって。

 

神様になんかなりたくない。神様だったらさみしいと思う。

神様という存在が本当にいるなら、もしかして、神様はさみしかったんじゃなかろうかって最近考える。さみしいから、わざわざ欠点だらけの存在を作り出して、試してみたんじゃなかろうかと。

 

だけど、あれができない、これもできないって勝手に自分を値踏みして、勝手に不幸な顔している人間がたくさんいる。そんな無駄なこと、今すぐやめてくださいって言いたい。できないこともあるけど、できることも絶対あるはずだ。場合によっては時間と労力がかかるかもしれないけど、きっと自分に合った生き方を構築できるはずだ。駄目じゃないと駄目なんだ。駄目じゃ無くなったら、みんな食いっぱぐれる。サービスもなにも必要ではなくなってしまうじゃないか。愛もなくなってしまうかもしれないじゃないか。

 

血が通った人間は、熱があって、駄目だから可愛らしい。

だからこそ、楽しくって、悲しくって、嬉しい。

そんな毎日じゃなきゃ、生きない。