野暮天堂

旅は道連れ、世は情け

書籍は目

旅人になりたい、と思うことがある。

 

僕は欲張りなので、いろんな場所に行きたいし、いろんなことを知りたいと思ってしまう。だが、時間は有限だし、身体もひとつしかない、お金だってあんまりない。そうなると、どうしても行ける場所も経験できることも限られてくる。

 

そんなことを考えながら、書店の学術書のコーナーを見ていた。そうしたら、さまざまなテーマの書籍が並んでいて、当たり前だけど、いろんな人がいろんな考えを見せてくれているんだなあ、ということに気づいた。

 

「あ、これでいいのか」

という感覚。

 

自分は世界にひとりしかいなくて、行ける場所も経験できることも少ないけど、世界にはたくさんの人がいて、それだけたくさんの頭と身体と目があるということなのだ。その人たちが、いろんなことを自由に考えたり、分析したりして、本という形で伝えてくれている。最近は、ブログやウェブのコンテンツとしても伝えることができる。

 

ひとつの身体とひとつの脳みそ、ふたつの目しかないと思いがちだけど、知性と感性、想像力を使えば、いろんな「目」や「脳みそ」を借りることができるのだ。

 

これで、もっと世界を旅することができる。

そして、僕もいつか誰かの「目」になれたらいいな、と思った。